2014年 10月 21日
Ⅱ型エクステンダー
※今回は長文の記事になりますので悪しからず・・^^;

エクステンダーEF 1.4x Ⅱ。ご存知の通り、焦点距離を1.4倍にしてくれる魔法のコンバータ。デメリットもありはするが、望遠レンズを駆使して遠い被写体を追い掛けるカメラマンにとっては手元に持っておきたい1本・・。
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私の持ってるエクステンダーはⅡ型。Ⅲ型が出た今となっては旧型であります。最新のⅢ型はレンズの構成枚数も違ってたりで、完全に別モノとなっていて、巷じゃどこでも高評価。サンニッパとゴーヨンを同時放出してまで新型ヨンニッパに手を出した私としては「よ~し、エクステンダーも新型に♪」と行きたいところではあるが、もう逆さまに吊るして叩いてもそんなおカネは出て来やしない。

そもそも本当にⅡ型エクステンダーはそんなに劣っているのか。そんなに使えないもんなのか。





「私の持っている個体で」と前置きした上での話であるが、「テレコンってダメだよね」と言うのがここ最近の私の考え。「私の持っている個体で」との前置きは、数年前に一度だけ新潟のとある駅で転がしてしまい、それ以来、内部のどっかが狂ってんじゃないかと危惧してたりするせいなんですが・・^^;

野鳥なんかを追いかけているとどうしても遠くの小さい被写体だけにもっと引き寄せたくなる。そこでゴーヨンにテレコンを付けて追いかけてみるが、現場でのカメラ液晶でチェックするレベルじゃ良いけども、帰宅してPCモニターで見てみるとガックリ来るのが常だった。二度とエクステンダーは持ち出さないと決めて、半ば防湿庫の肥やし状態になっていたのだが、手持ちの最長焦点距離が400mmとなった今、APS-Cを焦点距離延長手段の第一として考えはするものの、使えるのならば選択肢の一つとして使いたいと思い直し、東京競馬場で敗者復活戦にも似たテレコンテストが始まったのだった。・・って前置き長ぇ・・^^;

さぁ、ご覧ください。これがEF400mm F2.8L Ⅱ IS USM + エクステンダーⅡ型1.4xの画です。
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良いじゃないですか、自分で言うのもナンですが(笑)。抜け感もエクステンダーを付けてる画っぽく無い。ゴール直後、大外を差し切ったシンボリハミルトン号を称えるかの様に首筋をナデナデする横山典弘ジョッキー。思わずこぼれた笑み。口元に覗く白い歯まで解像しちょるではありませんか。
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SSを落として1/160で撮ったこの1枚。馬の疾走は全身を使って激しく動くので顔や首はちょいと止まってないけど、ゴール板近くで勝利を確信しながら惰性で流し始めた福永祐一ジョッキーの身体はキッチリ止まってる。あ、それは流し結果の問題で、ここでの問題は解像感か・・。
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トリミングで切り出すとこんな感じ。ゴーグルの反射で目は見えないけれど、その端正な顔立ちやパンツの脇に書いてある「Yuichi Fukunaga」の文字もしっかりと解像してます。勝負服のシワの寄り具合や質感も残ってる。良いじゃありませんか~^^

その一方で、ここで前述のシンボリハミルトン号のカット。これの数秒前、ゴールになだれ込んだ辺りを連写で押さえたカットを3枚連続で・・。
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・・・!?
この真ん中2枚目のカット・・。・・甘っ・・!
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私がテレコンにダメ出しし切ってしまったのはコレなんです。過去に何度も悩まされ続けたうっすら半ボケカット。コレがイヤで徹底的に絞り込み、ゴーヨンではF8やF11まで絞り込んでみた事もあったっけ。それでも半数近くのカットがこうした「眠い」画だったんですよねぇ。あー、こー言うのキラ~イ^^;

で、その直後のカットは・・。
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戻ってる(笑)。まぁ連写数コマのバーストの中で1枚って話ですがね。もともとキヤノンの連写って、中に意味不明に甘いのが1~2コマ混じる事が多いんですが、ナゼなんでしょうかねぇ。このsleepyカットも、そういった連写グセによるものなのか、エクステンダーを付けた事によるAF追従速度の低下によるものなのかは定かではありません。ただ、たしかにこういう不安定さがエクステンダーでの動きモノ撮影にはあり得るんですね。

それと再確認したのが、エクステンダーを使っても小さくしか写せない様な状況下ではやっぱりダメと言う事。長い直線の遥か向こう側の馬群なんかはシャッターを切ってもほぼ全滅。解像感の薄い眠い画ばかり。光量なども含めた「一定以上の条件が整ってこそのエクステンダーである」と言う認識は間違い無いんじゃないか、と。

これら連写中カットの絞り値はF5。開放はF2.8。これがエクステンダーを付けた事で開放値はF4に。無闇に絞り込まなくとも、そこからほんの気持ち絞っただけでまずまず納得できる画になるのは、少なくとも私の持っていたゴーヨンでは無かった筈。そしてボツカットの混ざる確率も激減している。テレコンって、マスターレンズの性能が良ければ総じて結果も良いと聞きましたが、開放F4のゴーヨンとF2.8のヨンニッパだとやっぱり違うもんなんでしょうかね。

いずれにしても予測していたよりも断然結果は良かった。ゴミ箱に消えて行ったカットも少ない。それでも現段階では積極的に頻度を上げて使ってみようとまでは思わないですが、とりあえずしばらくはこのままⅡ型を使ってみようかと思います。ただ、「それじゃぁ、巷で高評価連発のⅢ型ってとんでもないんじゃね?」って意識も以前以上に膨らんでしまったのも事実だったりして、その辺がヒジョーに悩ましい・・(笑)。

by kotodaddy | 2014-10-21 23:30 | EFレンズ


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